2023/12/6

 一日お休みであったので、12時くらいまでだらだらとスマホばかり見て過ごした。本を読むとか世界史の勉強をするとか、他にやりたいことがすべてスマホを見ることに置換されているようで、よろしくない。

 SPY ☓ FAMILYの二期をAmazon Primeでエピソード9まで見る。よいですね。家族という名目で集う三人が、それぞれにスパイであったり殺し屋であったり人の心を読める超能力者であったりすることを隠しながらも、家族の状態を維持するために、それぞれに考え行動する。そのことが感動的にも思えるし、それぞれの思惑のズレがおかしくもある。家族って何なんでしょうね(アーニャの表情)。

 イスマイル・カダレ『夢宮殿』読了。あらすじや前提知識に関しては、見事にまとめられているので、下記のリンクを参考にしていただくことにする。

https://abraxas.hatenablog.jp/entry/20161213/1481603871

 夢の中に現実における重要な痕跡や予測を読み取る、ということから、私の場合は精神分析学における夢判断を類想する。本書の場合は異なる。アッラーが地上の何百万もの人のなかの誰かに予告的な夢を投げかけることがある。その夢の解釈が国とその皇帝の不幸を予防したり、戦争やペストを回避したり、新しい思想を生み出す上で役立ったりするかもしれない。その前提の上で、オスマン帝国が夢を収集・選別・解釈し、とりわけ政治的に重要な夢を〈親夢〉として奉納するという点に特徴がある。

 〈タビル=サライ〉=夢宮殿に入ったばかりの頃のマルク=アレムは、官僚として生きる伯父たち(上の伯父は地方の知事、下の伯父は外務大臣)ではなく、伯父たちと正反対の暮らしを続ける叔父クルトに好意を抱いていた。しかし、夢宮殿での勤務を続けるうちに日常生活よりも夢の世界に囚われるようになり、感情が平板化して官僚としての生き方に呑まれていく。「春近し」と題された第七章の終わりの描写が印象的。